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スタートアップ・起業の始め方。自分の好きを事業に活かす「スタートアップ関西2024」(1/2)


「起業の始め方に正解はありませんが、自分の好きなことや原体験に根ざした事業は、困難な時にも踏ん張れる強さがあります。登壇者の3名もそれぞれ、自分の原体験から事業を立ち上げています。」
スタートアップ・起業の始め方をテーマに、大学在学中・卒業後に起業した3名の起業家(THINNEY代表の織戸弘暉氏、FiT代表の加藤恵多氏、Chai代表の西澤理花氏)が登壇。起業のきっかけ、創業時の苦労、自分の「好き」を事業に活かす方法について実体験を語りました。スタートアップ関西2024のセッションレポートです。
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シードVC「THE SEED」は、2024年4月27日に「スタートアップ関西」を開催しました。
「スタートアップ関西」は、関西の学生がスタートアップや起業、ベンチャーキャピタル(VC)に触れることのできる関西最大級のコミュニティとして2018年にスタートしたイベントで、今回で8回目の開催となります。
本記事では、イベントで行われた1つ目のセッションについてまとめております。
「スタートアップ・起業の始め方」をテーマに、大学在学中もしくは卒業後に起業の道を選択した3名の起業家が登壇して、起業したきっかけや創業時の苦労など、“起業のリアル”が語られました。
関西はもちろん、全国の起業に興味がある学生の方は、ぜひご覧ください。
【登壇者】
・織戸 弘暉氏(THINNEY株式会社 代表取締役)
・加藤 恵多氏(株式会社FiT 代表取締役)
・西澤 理花氏(株式会社Chai 代表取締役)
・宮城 圭介(モデレーター/THE SEED Venture Capitalist)
原体験が起業のきっかけに
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宮城:まず、登壇者の3人に「起業のきっかけ」をお聞きしていきたいと思います。
織戸氏(以下、敬称略):起業のきっかけは自分自身の実体験になります。大学進学を機に大阪へ越してきたある日、不動産の詐欺に遭ってしまいました。
この失敗から「自分の身を守るためには金融リテラシーが必要不可欠だ」と思うようになったのです。
そこから金融知識を身につけるための勉強をしていくうちに、日本の金融リテラシー(お金の教育)は「1.0で止まっている」と感じるようになりました。
日本の金融リテラシーをグローバルスタンダードまで引き上げていき、日本全国どこに住んでいても、お金のことを勉強できる環境を僕らの代で作っていきたいという思いから、2023年5月に創業しました。
西澤氏(以下、敬称略):私はサラリーマン家庭で育ったので、高校まではそもそも起業という選択肢すらありませんでした。
転機になったのは、アメリカの大学へ留学したときです。ちょうど私が留学していた頃のアメリカでは「D2C」がすごくブームになっていました。
D2Cは自分の商品をSNSでブランディングし、マーケティングして販売するというビジネスモデルで、学生起業をする上では非常にハードルが低いものでした。
私の友達の間でもD2Cスタートアップを始める人が増え、最初はSNSマーケターとして友人の事業を手伝っていました。
このときに初めてスタートアップやVC、起業のことを知って、すごく楽しいなと思ったんです。
それがきっかけとなり、大学院を卒業後に起業の道を選択し、ドッグフードのD2Cブランドを立ち上げました。
加藤氏(以下、敬称略):私は再生医療の研究がしたくて京都大学へ進学したのですが、自分がイメージしていた研究の内容とギャップを感じてしまって、気づいたら筋トレのことを24時間考えるようになっていました。
そんななか、コロナになって何もやることがなくなったので、貯金50万円で「自分のジムを作ろう」と思い立ちました。
そこが起業のファーストステップになっています。ジムを運営していくうちに、「もっといいジムを作るためにはお金が必要だ」と考えるようになり、結果的に起業することになりました。
事業選定で大事なのは「自分の好き」を見つけること
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宮城:自分の実体験に基づくもの、好きを追求していくものなど、0→1で事業を立ち上げていく上で色々なアプローチがありますが、事業テーマの選び方については何か意識していましたか。
加藤:自分は筋トレが好きで事業を立ち上げましたが、最初に思っていたのは「自分が使いたいジムを作る」ということでした。
事業を選定する際に「誰の課題を、どう解決するのか」という話はよくあると思いますが、自分が使いたいサービスであれば、世の中に一定のニーズがあると考えていました。
そのニーズを満たすために、低価格で運動ができて、面倒な紙の手続きもアプリ化することで簡略化し、「これなら自分でも使いたい」というサービスにしていくことを意識していました。
事業をやっていくうちに段々とサービスの解像度が高まり、初めに作っていたサービスよりもできることが増えていきます。
そのため、一つずつステップを積み重ねていくのが大切なのではないでしょうか。
西澤:ドッグフード事業は、加藤さんと同様に「自分の好き」から起業した流れになっています。
ただ、VCから資金調達して事業をやるなら、「いかに時価総額を大きくする会社を作れるかどうか」が問われると思うと、ドッグフード事業では1000億企業を作る道筋が全く見えなかったのです。
そこでピボットを決断したのですが、「10年、20年と自分が事業づくりに注力できるか」を軸に事業選定していきました。
Facebook広告を回してプロダクトの効果検証をしてみたり、アメリカで流行っている事業モデルを日本に持ってくるプランを考えたりしましたが、やはり「思い入れのある好きな事業」が大事だということに気づきました。
起業した頃の自分に立ち戻り、自分は人生で何をしたいのか。どういう社会を作っていきたいのか。というのを必死に考えましたね。
そこから、 Eコマースと物販の事業領域に定め、「日本のものづくりを支えるスモールビジネスの事業者をエンパワーしていきたい」というミッションにたどり着きました。
サービスを具現化していく上では、「1日5ショップ、1ヶ月で150 社」というヒアリング数のKPIを設定し、プロトタイプやモックアップを見せ、反応を聞いてブラッシュアップすることをとにかく繰り返しました。
織戸:自分は、子どもの金融教育において、教育者ではない人が実用的ではないことを教えてしまっているという現状が気になっていました。
そこに注目し、原理原則に沿った正しい方向で子どもの金融教育を行えば事業が成立するのではと考えて、金融教育を事業テーマにしました。
「夢を語ること」から「実績を作りにいく」ことで資金調達につながる
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宮城:みなさんは社会人経験を経ずに起業したわけですが、大変だったことがあれば教えてください。
西澤:一番最初の仲間集めは苦労しました。特にエンジニアは今でも採用が大変だと感じています。あとは“大人力”に欠けていると思うことが今でもあります。社会人経験があるからこそ身につく大人力、大人の営業力のようなものを、もっと培っておけば良かったと感じます。
加藤:20歳で起業した当初は、大人から相手にされないというのはすごく感じていましたね。
ただ、次第に結果が伴ってくるにつれ、「若いのに頑張っているんだね」と言われるようになり、「若い=武器」になることに気づくことができました。
もしも起業を視野に入れており、資金調達も考えている方がいれば、「実績を作りにいく」ことはすごく重要です。
夢だけ語っても、相手にされない可能性が高いですが、「売り上げが100万円出ていて、お客さんが100人いる」といったように数字で語ることができれば評価してもらいやすくなります。
織戸:最初は金融教育を教える場が欲しかったので、無料で場所を貸してもらえる学習塾を探すために、とにかくテレアポをたくさん行いました。
場所が見つかって、いざ集客をかけて事業を開始しようと思ったものの、全く生徒が集まらなかったんです。
そのときに「ユーザーヒアリングの大切さ」に気づきましたね。お母様方との繋がりがなかったので、最初は駅前や自分の両親、友人の両親などにもヒアリングしていましたし、今でも行っています。
イベント参加やビジコン出場は「資金調達」や「仲間集め」に最適な方法
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宮城:資金調達やVCの選び方についてのポイントがあれば、皆さんからアドバイスをいただけますでしょうか。
織戸:私はビジネスコンテスト(ビジコン)の賞金を集めていました。合計で150万円くらいを事業資金として貯めることができました。
ビジコンは賞金を獲得できるチャンスでもありますし、人脈も広がり、同じ志を持ったメンバーも集められる。私はビジコンにたくさん出たおかげで、スムーズに仲間集めをすることができました。
なので、ビジコンに出場するのは非常におすすめです。
また、私はスタートアップ関西で初めて宮城さんとお会いしました。その後、何度もお話を重ね、最終的にTHE SEEDから投資していただきました。起業したいと考えている方は、ぜひ積極的にアプローチしてほしいなと思います。
西澤:「VCはみんないいことを言う」という前提で話を聞いた方がいいと思います。投資したいからこそ、良い面ばかりをアピールするので、全てを鵜呑みにしないことが大切です。
VCの投資先である起業家の先輩に、担当者の評判などをヒアリングし、それを踏まえて投資を受けるかどうかを判断すべきだと思います。
私が資金調達をするにあたり、THE SEEDを選んだ理由は、当時のTHE SEEDはファンドを立ち上げたばかりで、一緒に頑張ってくれる、一緒に成功しようと本気で併走してくれると感じたからです。他にも条件が良いVCや素晴らしいVCからもオファーをいただきましたが、基本的には「必要なら手伝うよ」というスタンスでした。そんななかで、何も分からない私にとっては、「一緒に頑張ろう、何でもやるよ!」というTHE SEEDのスタンスは非常にありがたかったです。
加藤:VC選びの前に立ち返って考えてみると、「何かやりたいことがある」という状況だと思いますが、その内容によっては、VCからの資金調達をしなくてもいい場合もあります。
それでも、VCから資金調達すると決めたのなら、ファンドの特徴や方針、担当者の評判などをしっかりヒアリングしていくことが重要です。
私は、もともとVCという言葉すら知らず、最初はクラウドファンディングや親にお金を借りて創業しました。
その後、事業をさらに大きくするために資金が必要になり、自分で調べているうちにVCや銀行借入という選択肢を知りました。このタイミングで参加したイベントで、THE SEEDの廣澤さんと出会い、会話を重ねる中でVCへの理解を深めました。
自分で投資について調べる中で、出資を受けることに不安もありましたが、結果的にTHE SEEDという安心できるVCに出会えて良かったです。
学生のうちに好きを極め、繋がりを大切に
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宮城:最後にお三方へ「今学生に戻ったら何をするか」を聞いてセッションを締めたいと思います。
加藤:好きなことをたくさんやる、遊び尽くすことですかね。その延長線上に事業テーマや就職先の選び方につながるものを得られると思います。
西澤:好きを極めることが、自分の競合優位性を高めるのにつながります。また、学生時代から横の繋がりを大切にしておくのも大事なことです。
織戸:インターンを経験しておくといいでしょう。あとはスタートアップ関連のコミュニティに入って刺激をもらうことや、大人と交流してリアルな話を聞くことも将来につながると思います。
■「スタートアップ関西」について
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2018年に創設した「スタートアップ関西」は、関西の学生が、スタートアップ・起業に触れる入り口を作るためのコミュニティです。起業家やVCとの接点や、スタートアップに関心のある同世代が情報共有できるコミュニティを作ることで、起業やスタートアップを目指す学生の若い才能を後押しします。
よくある質問
スタートアップ 起業 始め方 学生
学生が起業を始めるには、まず自分の課題意識や「好き」を事業アイデアに落とし込みます。次にMVPで仮説検証し、市場の反応を確認。スタートアップ関西のようなイベントでVCや先輩起業家と接点を持ち、フィードバックを得ましょう。法人設立は事業の方向性が固まってからでも遅くありません。
起業 好きなこと 事業化
好きなことの事業化は、①自分の情熱がある領域を特定し、②その中で未解決の課題を見つけ、③解決策にお金を払う人がいるかを検証する3ステップで進めます。好きなだけでは事業になりませんが、好きだからこそ深い顧客理解とモチベーション維持が可能になり、競争優位につながります。
スタートアップ関西 2024 レポート
スタートアップ関西2024は2024年4月27日に開催され、関西の学生向けに2つのセッションが行われました。セッション1では若手起業家3名が起業の始め方を語り、セッション2ではVCが資金調達について解説。関西最大級の学生向けスタートアップイベントとして、8回目の開催でした。